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大ヒット・アニメが再編集で新たな作品として生まれ変わった『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(紀平照幸) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

 2016年11月に公開された片渕須直監督作『この世界の片隅に』は、わずか63館という小規模公開ながら大きな反響を呼びロングラン上映となり、興収27億円突破の大ヒットになりました。そして上映時間168分と大幅に拡大された『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が完成。当初予定していた公開日を延期してまで、細部に手を加えた作業が行なわれたのです。

 こうの史代の原作コミックから映画化される際に大幅にカットされた白木リンのエピソードを復活させるのが主な目的でしたが、単なるディレクターズカットや長尺版ではなく、細やかな再編集を行なうことによって、まったく別の印象を受ける作品に仕上がっています。

 基本的なストーリーは同じ。昭和19年、広島に住む、絵を描くのが好きで少しぼーっとしたところがある18歳の娘・浦野すず(声・のん)に縁談が舞い込み、彼女は呉の北條周作(細谷佳正)のもとに嫁ぐことになります。優しい義父母、厳しい義姉・径子(尾身美詞)、その娘の晴美(稲葉菜月)らとの日々。戦時下の暮らしは厳しく、次第に物資は不足していきますが、そんな中でも彼女たちはたくましく生き抜いていきます。しかし、ささやかな幸せを引き裂く悲劇は迫っていました…。

 旧作同様、戦時下の庶民の暮らしを丁寧に描き、当時の風景も徹底したリサーチに基づいて再現していますので、文化遺産的な価値も高い作品。空襲以外の戦闘シーンは描かれないのですが、それゆえに戦争の悲惨さがより伝わってくるのです。

 単にエピソードを追加しただけでなく、巧みな再構成が行なわれたことによって、物語は新たな表情を見せてくれます。出番が増えたのは遊郭で働く女性・白木リン(岩井七世)で、彼女の存在によって“心の中の秘密”をめぐる“大人の映画”として生まれ変わりました。同時に、“自分の居場所はどこにあるのか”を描いた映画にもなっていて、“戦争で失われてしまったもの”の大きさもさらに感じさせてくれるのです。

 本作で花澤香菜演じるテルが新キャラクターとして登場。旧作に続き、小野大輔、潘めぐみ、新谷真弓、牛山茂らが声の出演。

 音声はすべて新録音、のんが声優としての成長ぶりを見せて(聞かせて)くれるのが印象的。音楽担当のコトリンゴも新曲を書き下ろしています。

(『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は12月20日から公開)

配給:東京テアトル

(c)2019こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

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December 20, 2019 at 12:02PM
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