Search

転職で給料倍近くに 開く時給差 人材争奪で加速する介護の離職超過:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

今の8割の人手で、社会をまわし続ける方法はあるのか。縮小を選んだとき、何が起きるのか。縮みゆく日本社会は海外の目にどう映るのか。迫られているのは、絶望ばかりではない。「発想の転換」だ。

連載「8がけ社会」

高齢化がさらに進む2040年。社会を支える働き手はますます必要になるのに、現役世代は今の8割になる「8がけ社会」がやってきます。今までの「当たり前」が通用しなくなる未来を私たちはどう生きるべきでしょうか。専門家の力も借りながら、解決に向けた糸口を探ります。

 昨年11月、群馬県桐生市特別養護老人ホームユートピア広沢」の施設長、服部弘さん(47)は、新聞折り込みの求人広告に目を見開いた。

 時給1千円で介護スタッフを募集していた広告の並びで大型スーパーが時給1300円でレジ打ちアルバイトの求人を出していた。群馬県の最低賃金は935円だった。

 「時給300円も違えば、介護業界を選んでもらえるはずがない」

 介護職をめぐっては一昨年、離職する人が働き始める人を上回る「離職超過」が初めて起きた。厚生労働省は、高齢者数がピークに迫る2040年度には約280万人の介護職が必要になり、19年度比で69万人足りないと試算する。各業界が人材を奪い合い、介護職との待遇差が広がれば、離職超過が加速するのは必至だ。

 今は配置基準を上回る職員を確保できている同施設でも、施設を運営する法人の全職員約270人の平均年齢は50歳。若手職員は少なく、同施設の職員90人のうち20代は10人ほど。そのうち一人の男性職員が一昨年、アパレル業界に転職した。大学で介護を専門的に学び、将来、施設の屋台骨になると期待していた人材だった。

 施設では最近、1年で数人の職員が退職する。そのたびに求人を出すが応募は以前より少ない。人材確保のためにアルバイトの時給を上げたくても、公的に決まる介護職の待遇改善は一法人の努力では難しいのが実情だ。

 介護業界では職員を確保できず、施設や訪問介護の利用希望を断らざるを得ない状態が起きている。今後ますます人材確保が厳しくなる「8がけ社会」の2040年。服部さんは「介護を受けられる場所がなくなるのでは」と危惧する。

記事の後半では、各地の人手不足が全国の食卓にも影響しかねないことを明らかにします。そして、労働問題に詳しい立教大の首藤若菜教授が、問題の本質について指摘します。

■転職で年収倍近くに…

Adblock test (Why?)



from "求人" - Google ニュース https://ift.tt/hOGgYIH
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "転職で給料倍近くに 開く時給差 人材争奪で加速する介護の離職超過:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル"

Post a Comment

Powered by Blogger.