Search

ITからコンサルへの転職事情に変化 プロマネ経験不要の求人も - ITpro

全4034文字

 コンサルティングファームにおいて、コンサル経験なしのIT人材の採用を強化中だ。この2つの業界を渡り歩く人はこれまでもいたが、採用傾向が変わってきているという。両業界の転職事情に詳しい、リクルートの福本和真氏が背景を解説する。

 これまでIT業界からコンサルティング業界への転職では、プロジェクトマネジメント(プロマネ)経験を持つ人材の採用が重視されていました。ところが近年はプロジェクトリーダー、プロジェクトマネジャーなどの経験なしにコンサルティングファームへの転職を果たすIT人材が増えています。

 背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するユーザー企業における2つの課題があります。1つ目の課題はデジタルツールを導入したものの、自社だけでは使いこなせないユーザー企業が多いことです。社内でのツール活用の拡大や、ツール担当人材の育成を目指すユーザー企業が増えています。

 特に2023年以降は生成AI(人工知能)を新規事業や業務効率化支援に活用したいと考えるユーザー企業が急増しました。そのためコーポレートガバナンスの観点から生成AIの採用を検討し、自社ビジネスに対するリスクを洗い出せる人材が必要です。つまりデータ利活用、サイバーセキュリティー、AIなどのエマージングテクノロジー(最先端技術)に詳しい人材の確保が急務となっています。

 もう1つの課題は、他社と連携して新規事業を立ち上げるユーザー企業の増加です。自社の既存事業の延長にとどまらず、他社の事業との組み合わせによって新しい製品・サービスを生み出そうという動きが出てきています。自社、協業先の他社、ツールベンダーなど複数のステークホルダーとスムーズにやり取りできる人材が必要となるプロジェクトです。各社の開発部隊をよどみなく橋渡しできるよう、実際に現場で開発経験を持つ人材がチームにいることが望ましいでしょう。

最先端技術に詳しい人材や開発者としての知見を重視

 以上のような課題をコンサルティングファームに諮る企業も多いため、ファーム側でもそれに対応した人材の採用を積極的に進めています。ところが昨今の転職市場では「データ利活用、サイバーセキュリティー、AIなどに詳しい人材」や「自ら手を動かした開発経験を持つ人材」は人気があるため、募集要件を厳しくすると採用がうまくいかないケースも少なくありません。

 そこでコンサル業界未経験、かつマネジメント経験がないITエンジニアも採用の対象とするコンサルティングファームが増えているのです。特にシステムインテグレーターなどの出身で、顧客の課題解決や上流工程における戦略立案を目指す人がコンサル業界に転職を果たす傾向にあります。いくつか実際の転職事例をご紹介しましょう。

 大手システムインテグレーターに勤務するAさん(20代後半)は、金融系基幹システムなど大規模なプロジェクトに携わっていることにやりがいを感じていました。しかし、目の前の開発業務をこなす日々の中で「もっと成長を実感したい」という思いが強くなり、転職を決意。IT導入だけにとどまらず、顧客の経営課題を解決したいという志向からコンサルティングファームに入社しました。

 一方、外資系ITベンダーでERP(統合基幹業務システム)パッケージの導入業務を担当していたBさん(20代後半)は「ITスキルは身に付くものの、自分の仕事は本当に顧客のためになっているのだろうか」というモヤモヤ感を抱いていました。Bさんの業務はその性質上、どうしても「パッケージ導入ありき」で進んでいきますが、顧客の課題解決のために他にできることもあるのではと考えるようになったのです。

 やがてBさんはERPパッケージの知識だけにとどまらず「時代の変化に対応できる人材になるため、より汎用的なスキルを磨きたい」とも考え始めて転職活動を始めました。いくつかの業界を検討する中で、「特定製品の導入に縛られず、ビジネスの最上流の経営課題から向き合える」コンサル業界に魅力を感じ、転職を決めたといいます。

Adblock test (Why?)



from "求人" - Google ニュース https://ift.tt/rVtTm3n
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "ITからコンサルへの転職事情に変化 プロマネ経験不要の求人も - ITpro"

Post a Comment

Powered by Blogger.