厚生労働省が29日発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0・01ポイント低下し、1・26倍だった。低下は3カ月ぶり。製造業などで物価高による収益悪化を背景に、求人を控える動きが続いている。
有効求人倍率は、全国のハローワークに登録している求職者1人あたり何件の求人があるかを示す。有効求職者数は1・0%増の190万人で、有効求人数は0・5%増の254万人だった。
企業の足元の採用意欲を示す新規求人数(原数値)は前年同月比で3・6%減った。産業別で減少幅が大きかったのは製造業で、8・7%減となった。また、8・4%減だった宿泊・飲食サービス業は、前年に新型コロナ対策の緩和に伴い旅行客の増加に対応する求人増の反動が出た。一方、情報通信業が4・2%増だった。厚労省の担当者は「物価高の影響を今後も注視する」と話している。
能登半島地震については、石川県の有効求人倍率(就業地別、季節調整値)は1・41倍で前月から0・09ポイント低下しており、全国で下げ幅は最も大きかった。地震から1カ月経って求職者が増加した一方、求人数は製造業などで設備が被害を受けていることもあり減少傾向にあるという。担当者は「全国の統計結果に直ちに影響は出ないが、推移を見守る」としている。
また、総務省が同日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は2・6%で、前月から0・2ポイント上昇した。悪化は7カ月ぶり。(宮川純一)
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