求人避難者に寄り添い育児に仕事より困難、貯金減り焦り：北陸中日新聞Web - 中日新聞

被災者らの就職相談に乗る企業のブース＝金沢市文化ホールで

金沢で18企業が就職説明会

　能登半島地震の被災者らに向けた合同就職相談会が２９日、金沢市高岡町の市文化ホールであった。飲食やメーカー、福祉など、さまざまな業種の企業が個別の相談ブースを用意。若者からお年寄りまで約５０人が参加し、生活の状況に合った業務や働き方について、担当者からじっくりと聞いた。　（高橋雪花）

　市が主催し、人材サービス業「ワイズ」が運営。すし・弁当製造の「芝寿し」、市中央卸売市場の水産物卸売会社「石川中央魚市」、住宅メーカー「クロダハウス」など、市内に事業所がある計１８の中小企業や法人が参加した。生活再建に忙しい避難者が短時間でも働けるようにと、正社員だけでなくパートを募集する企業も加わった。

　ブースでは、企業の担当者が職種や業務内容、勤務体系などを説明し、質問に応じた。訪れた穴水町の４０代女性は地震で失業。金沢市に避難したことで、子育てに協力してくれていた親と離れ、フルタイム勤務が難しくなったという。企業の担当者と話し、「時短勤務の相談を直接できたのが良かった」と安心した様子だった。

　担当者に熱心に質問していた馬場大智（ばんばだいち）さん（２６）は、輪島市の元消防士で、地震では生き埋めになった人の捜索に当たった。３月に野々市市のみなし仮設住宅に避難、仕事も退職し「貯金が減って焦りがある」。相談会には「良いことも悪いこともしっかり答えてもらい、求人サイトだけでは分からないことも知れて良かった」と語った。

　金沢市商工労働課の布島宏胤（ひろつぐ）課長は「慣れない金沢に避難し、働きたくても働けない人もいると思う。ここから頑張っていきたいと思える一つのスタート地点になればうれしい」と話した。

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