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バス運転手“急募” どうする人手不足 短時間1万円の求人も 多様な働き方で人材掘り起こしを 千葉市 #千葉 - nhk.or.jp

全国で相次ぐ「路線バス」の減便廃止。背景にあるのは、運転手不足です。

こうしたなかで、これまでになかった「好待遇・短時間」の新たな雇用形態を取り入れて、人材の掘り起こしを進める事業者も出始めています。

地域にとってなくてはならないバスの運転手をどう確保していくのか。事業者の取り組みを取材しました。

(千葉放送局記者・浅井優奈)

運転手が足りない

千葉市内で路線バスや企業送迎バスなどを運行する「あすか交通」です。コロナ禍の影響や高齢化で、運転手の数はこの10年でおよそ3割減少したといいます。

バスのダイヤの作成を担当する、専務の吉田均さんです。

限りある運転手のなかで、平日は朝6時ごろから、夜11時までのダイヤを組んでいますが、人繰りに頭を悩ませているといいます。

吉田専務

下の資料は「棒ダイヤ」と言いまして、1人の運転手さんが、1日にどういう路線を走るかを表しています。

バス運転手の勤務するパターンが書かれているダイヤ表

運転手が入る勤務は全部で8パターン。この勤務を13人の運転手で回してきていましたが、6月末、このうちの1人が退職してしまったといいます。

今はほかの運転手に休日出勤を頼んでカバーしていますが、この状況でさらに病気などで運転手が休むと、シフトが回らなくなってしまうといいます。

吉田専務

とにかく運転手が足りていないです。路線バスを欠便にすることはできないので、やっぱりある程度の余分の運転手を確保しておかないと、回らなくなってしまいます。いま在籍してる運転手さんの数では、いまの路線の数を維持できないと考えています。

「3時間1万円」求人も 短時間でも来てほしい

運転手の不足が続くなか、会社が力を入れているのが「採用の強化」です。

こちらは、運転する時間が3時間(拘束時間は4時間~5時間程度)で1日1万円の求人です。

「短時間でもよいので来てほしい」と、会社が去年から新たに始めた「パート」採用の1つです。これまでになかった、「好待遇・短時間」の働き方を導入しました。

パートで働く運転手

この求人に応募して採用された1人、パートで働く68歳の運転手です。これまでおよそ20年、フルタイムでバスの運転手をしてきましたが、年齢も高くなり、短い時間で働きたいと転職しました。現在は週に5日、午後を中心に働いているといいます。

パートの
運転手

勤務時間が短い分だけ自分の時間が増え、趣味もできるようになりました。転職して良かったなと思っています。

パート採用を取り入れたことで、会社では新たに5人を採用することができたということです。

ただ、今のところは路線バスを回せるほどの人員は確保できていないため、パートの運転手にはこれまで正社員が担っていた企業の送迎などにあたってもらっているといいます。今後、さらにパートの運転手が増えれば、いずれ路線バスの運行も担ってもらえたらと話していました。

採用担当者

パート採用は今までで一番反響がありました。人材を掘り起こすために、こちらが柔軟になって新しい就労の機会を作れればと思っています。

賃金アップも 働く環境向上へ

会社では、正社員についても、7月から賃金を年収ベースで10%程度アップしました。さらに、多様な働き方を後押しするため、短時間のシフトを設けるなど新たな取り組みを次々に打ち出していて、すでに働いている社員に対しても長く働き続けられる環境を作っていきたいといいます。

運転手が足りない状況はまだ続いていますが、さまざまな取り組みを通して、なんとか人手を確保していきたいといいます。

専務 吉田均さん
特にお年寄りが外に出るためにはやっぱり公共交通機関が絶対必要だと思います。ですから、何とかこれを維持していくことが私たちの使命だと考えています。

自治体も一体となって 人材確保へ

自治体も危機感を持っています。6月には、船橋市でバス運転手などの採用説明会が開かれました。運転手不足の解決につなげようと、行政やバス会社が一体となって開催したものです。

集まったのは、路線バスやタクシーを運行する事業者12社です。この日訪れた求職者は9人でしたが、市の担当者は、少しでも企業の採用につながればと話していました。

船橋市の
担当者

公共交通機関ですので、市民にとってなくてはならないものだと思っています。やはり維持するためには運転手不足をなんとかしないといけない。こうした説明会などで少しでも興味を持っていただいて、雇用につながればと思っています。

路線バスの今後 地域で考える

千葉県内ではことし4月までの半年間におよそ1900便が減便されました。バス事業者各社は人手を増やそうとさまざまな取り組みを行っていますが、取材のなかでは「新たな人材が入ってきてはいるが退職者も多い」とか、「若手がなかなか入ってこない」、「同じ業界内で人材を奪い合っている現状もある」など、事業者だけの努力では限界があるという声も聞かれました。

利用者が減っている路線もあるなか、あすか交通の吉田専務は、「決まった時間に決まったルートを走るやり方が難しくなっている路線もある。地域によっては、必要なときだけバスを走らせるような方法も考えていくべきでは」とも話していました。

地域の足として欠かせないバスですが、それぞれの地域でどういった形の運行が望ましいのか、住民や行政とともに考えていく必要があると思います。

「首都圏ネットワーク」での放送内容は、「NHKプラス」で7月19日(金)午後7時までご覧いただけます。

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