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新型コロナ影響で公演中止や延期相次ぐ アーティスト苦悩 - 信濃毎日新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大でコンサートや演劇の公演中止、延期が相次ぎ、県内ゆかりのアーティストも苦境に立たされている。感染リスクを考えて諦めつつも、リハーサルや練習では収入にならないこともある。終息の見通しが立たない中、「表現する場所を失うのが一番つらい」と切実な声が上がっている。

 「本番があるからやる気が出る。とにかく吹く場所が欲しい」。屋代高校(千曲市)出身のファゴット奏者丸山佳織さん(30)=東京都=は話す。都内のコンサートや北安曇郡池田町、長野市を巡回予定だった演奏会、上田市で開催予定だったオペラなど、2月末から4月までの計4件が中止や延期になった。

 音楽大の嘱託演奏や中高生への部活指導なども請け負うが、仕事が入らなくなった。元々、冬はコンサートが少なく、オーケストラ団員など固定収入がある音楽家以外はアルバイトをする人も多い。「バイトを増やせば生活には困らないが、お金よりもモチベーションの問題」と複雑だ。

 小学4年まで長野市で過ごしたバイオリン奏者中村里奈さん(29)=東京都=も、都内の結婚式場や国内周遊のクルーズ船での演奏など7件ほど、合計約15万円の収入が消えた。当初は屋外演奏なら可能かと思ったが、感染拡大で中止になった。

 講師の仕事で細々つないでいるが、「いつ(仕事や生活が)どうなるのか分からないのがフリーランス。貯金はしているが、いつまで自粛が続くのか…」。少なくとも夏ごろまでは、仕事の予定が立てられないと覚悟している。

 演劇界にも公演中止の波が押し寄せる。松本市が拠点の劇団TCアルプの俳優、細川貴司さん(38)は「もし公演がなくなったら、金銭面に加え、日数をかけて作ってきた芝居を見せられない。それが一番つらい」と話す。

 2月に自主公演が終了してから県外の劇団に招かれ、その公演が中止になった仲間もいる。「早く街の人たちが元気になり、怖がらずに劇場に足を運べる環境になってほしい」と願っている。

(4月1日)

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April 01, 2020 at 07:44AM
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