豊島将之竜王(叡王=30)が初防衛を果たすか? 挑戦者の羽生善治九段(50)が奪取してタイトル獲得通算100期を達成するか? 将棋の第33期竜王戦7番勝負第1局が、9日午前9時から東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で始まった。先手後手を決める振り駒は、と金が4枚出て、先手の羽生が先手7六歩と角道を開けたのに対し、後手豊島は後手8四歩と飛車先の歩を突き出して、注目のシリーズはスタートした。

両者は過去33回対戦して、羽生の17勝16敗。タイトル戦でも、2014年(平26)の第62期王座戦での初対決(羽生が3勝2敗で防衛)を皮切りに、翌15年の第86期棋聖戦(羽生3勝1敗で防衛)、18年の棋聖戦(豊島が3勝2敗で奪取)と3回戦っている。2日制の7番勝負で豊島に羽生が挑戦する図式は初めてだ。

その羽生も17年の竜王獲得後、タイトル戦では18年名人戦、棋聖戦、竜王戦と3連敗中。タイトル獲得99期(内訳は竜王7、名人9、王位18、王座24、棋王13、王将12、棋聖16)で足踏みしている。特に2年前の竜王戦で広瀬章人八段に敗れて以降、2年間はタイトル戦という頂上対決から遠ざかっている。

豊島はこれまで棋聖のほか、王位、名人も獲得しながら初防衛がない。どちらが先にペースをつかむか注目だ。

対局は2日制で、持ち時間は各8時間。決着は10日夜の見込み。