8月30日に公表された米求人件数と米消費者信頼感指数が共に市場予想を上回り、労働力需要と家計の力強さが示されたことでインフレ圧力が持続するリスクが高まったほか、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で3回連続の0.75ポイント利上げが決定される公算が大きくなった。
米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した8月の米消費者信頼感指数は市場予想を上回る伸びとなり、5月以来の高水準となった。また大型家電製品や自動車を購入する意向があるとの回答比率も上昇した。
7月の米求人件数も予想外に増加し、過去最多に迫る1123万9000件となった。労働市場のタイトな状況が続いていることが示された。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が注目する雇用市場の指標、失業者1人に対する求人件数は約2件と、6月の1.9件から増加した。
これらの統計は、米金融当局が政策引き締めを強める中でも労働力需要は根強く、消費需要には回復力があることを示している。利上げに釣り合う個人消費の鈍化と賃金圧力緩和が見られなければ、当局のインフレ抑制の闘いは一層困難になる。
ウェルズ・ファーゴのサラ・ハウス、マイケル・パグリース両エコノミストはリポートで、「労働力需要を押し下げる連邦準備制度の取り組みが奏功するのはかなり先になりそうだ」と指摘。「失業者1人に対する求人件数が2.0に戻ったことは、労働力需給の著しい不均衡が解消されるどころか、緩和もしていないことを示している」と分析した。
パウエル議長は26日のジャクソンホール会合での講演で、インフレ率を目標の2%に下げる取り組みは当局にとって「現時点で 最も重要な焦点」だと言明した。
金融当局者は過去2回のFOMC会合で0.75ポイントの利上げを決定。パウエル議長は9月20、21両日に開かれる次回会合でも0.75ポイント利上げは議論の対象となり得るとした。当局者らは9月2日発表の雇用統計と13日発表の消費者物価指数(CPI)を含む経済指標で決まると述べている。
30日発表の2つの指標は利上げが進む中でも労働力需要が近く鈍化する可能性は低く、また食料品価格など生活必需品のコストが上がり続ける中でも、ガソリンの値下がりで米国民の経済への楽観的な見方が強まっていることを示した。
スコシアバンクのエコノミスト、デレク・ホルト氏は「消費者信頼感が上向けば支出が続き、恐らくインフレ圧力が高まって当局を引き締めの道筋にとどめるとみるのが自然だ」と指摘した。同氏は9月のFOMC会合で0.75%の利上げが決まるとみている。
金利先物市場が織り込む9月の利上げ幅は、ジャクソンホール会合でのパウエル議長らのタカ派的コメントを受け、0.75ポイントに傾いている。
原題: Fed Gets New Path to Go Big as Job Openings, Confidence Surprise(抜粋)
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