当選確率1%以下といわれるアメリカ合衆国グリーンカード(永住権)のくじが奇跡的に当選! 職なし、コネなし、英語力なしで2020年からNYに移住した黒川祥志さんが、キラキラとはほど遠いNY生活を赤裸々につづります。
今回のテーマはアメリカでの職探し。意外なところに日本との習慣のちがいがあったといいます。
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はい、どうも~! 低所得ニューヨーカーの黒川です。いつになれば日本にいた頃より稼げるのか、気が遠くなる日々を送っております。
というわけで今回はアメリカでの就職活動について書いていきます。
履歴書には人種や性別の記載不要、だが…
グリーンカード(アメリカ永住権)をくじ引きで手に入れた場合、アメリカ移住後には必ず仕事を探さなければならない。
だが、どうやって探すのか。
基本的には日本と同じで、ネットで求人情報サイトにアクセスして、自分の経歴や居住地をベースに求人情報を検索して、よさそうな求人に応募する。
応募に際して最初に用意しなければならないのが履歴書だ。日本と同様、最終学歴とこれまでの職歴、スキルや資格などを記載するのだが、違う点がいくつかある。
まず、職歴の順番だ。日本の場合、古い職歴から記載していくが、アメリカの場合は逆で、新しい職歴から記載しなければならない。
日本のような「履歴書のフォーマット」みたいなものは存在せず、自分でWordやIllustratorなどを使って一から作るため、自由度は高い。
また、顔写真を載せることはなく、年齢や性別など差別につながりかねない情報も記載しない。
履歴書と共にもうひとつ、応募に必要なのが「カバーレター」である。
簡単に言えば、Faxの送付状のようなもので、自分の連絡先や、応募先の誰に宛てた履歴書なのかを記載した1枚の書類だ(応募先の担当者がわからない場合は「求人担当者様」と記載する)。
僕はこのカバーレターの作成に苦労した。
カバーレターは履歴書を見てもらうための「自己PR」の場で、自分がこれまでどんな仕事をしてきて、どれだけ活躍してきたかを記載するのだが、僕は何を書けばいいかわからないし、特技やセールスポイントなどもパッと思いつかない。
しかも、それを英語で書かなければならないとなると、無理ゲーとしか思えなかった。
とりあえずGoogle先輩にお伺いを立てると、似たようなことで困っているアメリカ人がたくさんいるようで、使えそうなテンプレートを手に入れ、それを活用して今に至る。
職種や業界によってはほかにも必要なものはあるかもしれないが、基本的にはこの2つを最初に用意しなければならない。
準備ができたら、求人情報サイトや各会社のサイト内の求人ページにて、履歴書やカバーレターを所定の箇所にアップロードしながら、応募の手続きをしていくのだが、名前や連絡先のほかに、大半の会社で聞かれることがある。
「人種」「性別(LGBTQも含む)」「障害の有無」、そして「帰還兵かどうか」という質問があり、回答は選択式で、必ず「答えたくない」の項目がある。
履歴書への記載は求めない代わりに、聞きたいことは聞いておこうということなのだろうが、どういう意図でこの質問と回答を用意しているのかはわからない。
移民が多い国なので「就労可能なビザはあるか」「将来的にビザサポート(就労ビザを取得する際、雇用会社がスポンサーとして弁護士費用やビザ申請費用をサポートすること)が必要になるか」という質問もある。
英語がわからなくて灰になったzoom面接
応募が済むと、次に進む場合はメールで連絡がある。会社によっては筆記試験などのテストがある場合もあるが、大抵は面接になる。
返信が1週間で来ることもあれば、数ヶ月後に面接の連絡があることもあった。
メールで面接のスケジュールの問い合わせが来たら、それに返信してあとは面接を待つのみとなるが、英語が話せないと面接で散々な目にあう。
僕が応募したある会社はLAに本拠地があったため、Zoomで面接したのだが、面接官がメキシコ系の方で、英語のスペイン語訛りが強すぎて、何を言ってるのかまったくわからなかった。
お互いがんばって意思疎通を図ろうとするが、こちらの英語も下手なためまったく通じず、お互いの苦笑いがモニター上に映し出され、最終的に「センキュー」と言われてZoomが強制終了され、へこみすぎて数分間あの白い画面を見ることしかできなかった。
こんな調子なので、面接に進めるだけでもありがたかった。
面接に進める確率は人によるだろうが、僕は30社応募して約1社面接、という確率だったので、面接となれば必ずスケジュールを調整した(無職なので調整するほどでもなかったが)。
ところが、応募した覚えのない会社から面接のメールが来たことがある。
応募していない会社から面接に呼ばれた!?
とあるリクルート会社を利用していた時期に、おそらくリクルーターが勝手に応募して、みたいなことだと思うのだが、リクルーターから「○○という会社で○日に面接があります」というメールをもらった。
応募した覚えのない会社だったし、会社名をGoogleで調べてもよくわからなかったので、最初は無視しようと思ったが、何事も経験だと思い、とりあえず面接に行くことにした。
場所はマンハッタンのミッドタウン。世界中のいろんな企業がオフィスを構える街だ。
ビルも映画なんかで見るキャリアな方々が出入りするような建物で、建物を見た時点で間違いに気づいて引き返すべきだったが、アホな僕はうかうかとその会社のロビーまで行き、さらなる場違い感にひざから崩れ落ちそうになった。
想像してほしい。スーツを着た白人(9割)と黒人(1割)が集う場所に、革ジャンを着た小汚いアジア人が紛れこんでいる姿を。恥さらしとはまさにこのことで、何かの罰ゲームなのかと思った。
ちなみに、この時は何も考えず面接に革ジャンとジーンズで行ったが、あとでいろいろ調べたら、日本と同様、最低限度のフォーマルさは必要らしい。
ロビー中央の受付で、面接に来た旨を伝えると、どうやら僕の名前がちゃんと登録されていたようで、ロビーの片隅にある待合用のベンチへ案内された。
時間にすると5分くらいだったが、待っている間は妙に居心地が悪かった。あきらかに住む世界が違う場所だからだ。
周りは英語で何を言っているかわからないし、誰も僕になど興味などないのだから気にする必要はないのだが、わかってはいても、誰かが前を通り、その人と目が合うたびに気まずくなった。
5分ほどすると面接官が僕のところに来て、部屋へと案内された。面接官は若いエグゼクティブ風な兄ちゃんだ。
握手をして簡単な挨拶を済ませ、席につくと、彼から早口な英語で会社の概要や仕事の内容の説明を受けた。
ほとんどわからなかったが、何かのセールスの仕事だということだけわかった。
一通り説明を終えると、彼が「何か質問は?」と言うので、正直に「この会社に履歴書を出した覚えはないんですが、どういうことですか?」とリクルーターから来たメールを見せながら、片言の英語で質問した。
彼はメールを見ながら何か納得したようで、「セールスの仕事には興味はあるか?」と聞いてきた。
興味があるかどうか以前に、英語がしゃべれないので、「英語がしゃべれないけど、その仕事はできるのか?」と聞き返した。
すると彼は僕の目を見て「No」と力強く答えてくれた。
僕は少し吹き出しながら、「Thank you」と返して席を立ち、彼も席を立ちながら手を差し出してきたので、力強い握手をかわして部屋を出た。
ちなみにその後、この会社やリクルーターから何の連絡もない。
この出来事で誰かが得をしたのかどうかは知らないが、これ以降、僕は面接の連絡が来た場合は応募したかどうかを確かめるようになった。
面接の回数は会社によりけりで、1度の面接で採用が決まる会社もあれば、4次面接まである会社もある。
面接の方法や質問も会社によって違いがあり、細々としたトラブルなんかも経験したが、文字数の都合上、それらはまた別の機会で。
というわけで次回は、実際に働いてみた「アメリカの職場」について書いていきます。
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