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GX求人は6年で約6倍、気候変動に加え今後は生物多様性や人権にも注目 - ITpro

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  カーボンニュートラルなど企業が環境問題に取り組む必要性が高まる昨今、新しいタイプの事業企画職・研究職としてGX(グリーントランスフォーメーション)に携わる人材が注目されている。転職市場におけるGX関連の求人の実態を明らかにするため、リクルートが調査を実施。同社で環境・エネルギー・ESG(環境・社会・企業統治)・SDGs(持続可能な開発目標)関連の転職コンサルティングを数多く手掛ける羽田野直美氏がデータを解説する。

 この連載の前回の記事でも紹介したように2023年度下半期以降、サステナビリティ(持続可能性)などの環境問題を意識する企業がますます増えると見込まれます。とりわけ2022年に経済産業省がカーボンニュートラル実現に向けた取り組み「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」を発表して以降、GXを標榜する企業が増加中です。

関連記事: 生成系AI関連の求人増加、2023年上半期の転職市場動向から今後を予測する

 GXは技術開発を通じてカーボンニュートラルを実現しつつ、環境保護と産業的な競争力向上の両立を志す動きのこと。長年、環境分野の転職支援を担当してきた筆者は、数年前からGX関連の求人数の増加を感じています。とはいえGXは比較的新しい分野ですので、転職市場におけるニーズが実際にどのくらい拡大しているか、これまでまとまった調査はありませんでした。

GX関連の求人件数は6年間で大幅増加

 そこで筆者の勤務するリクルートでは、転職支援サービス「リクルートエージェント」の求人データを基に独自にGX関連求人の動向を分析しました。この調査では経産省の資料などを参考に、GXに関わる仕事を「カーボンニュートラルを目標にした経済社会システム全体に関わる仕事内容や業務内容に準ずるもの」と位置付けました。そして、この位置付けに該当する約250のキーワードを設定。「リクルートエージェント」上の求人タイトル・仕事内容に、当該キーワードが含まれる求人を「GX求人」と定義して時系列で変化を見たのです。

 GXに関連する業界や技術分野は多岐にわたります。そのため、GX求人を抽出するキーワードも多様でした。例としてはGX、カーボンニュートラル、脱炭素、太陽電池、再生可能エネルギー、バイオ燃料、電気自動車、燃料電池、GHG(Greenhouse Gas、温室効果ガス)、バッテリー・マネジメント・システム、Scope3(自社の直接排出ではなく取引先などからの間接的な温室効果ガスの排出量)、ZEH(Net Zero Energy House)などがあります。

 こうしたGX求人の推移を検証したところ、2016年度と2022年度の比較で5.87倍に求人数が拡大していると分かりました。特に2020年度以降に大きく数が伸びており、今後も同様の傾向が続くと予測されます。一方、同時期にGX求人に応募して転職を実現した人の数は3.09倍でした。求人数と採用数の伸び率を比べると、GX人材に対するニーズは満たされていないといえます。

リクルートエージェントにおけるGX求人の推移

リクルートエージェントにおけるGX求人の推移

※2016年度を「1」とする(出所:リクルート)

[画像のクリックで拡大表示]

リクルートエージェントにおけるGX求人の転職者推移

リクルートエージェントにおけるGX求人の転職者推移

※2016年度を「1」とする(出所:リクルート)

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