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求人倍率のわな インターンシップはまず中小企業を - 日本経済新聞

新卒求人倍率を見ると学生の売り手市場だが、大企業はそうではない。インターンシップを申し込む際に大企業ばかりだと、参加すらできないこともある。業界や仕事の仕組みを学ぶうえでも、まずは中小・ベンチャー企業に申し込んだ方がよいと専門家はアドバイスする。

新卒採用の求人倍率はリクルートワークス研究所の調査では2024年大卒者が1.71倍で、今は学生の強い売り手市場と言ってもよい。しかし、ここには平均値のわながある。社員数300人未満の企業だと約6倍と超売り手市場なのに対し、5000人以上の大企業の求人倍率は約0.4倍と超買い手市場なのだ。しかも、これは何十年も続く傾向だ。

また、あまり外には出ない数字だが、私がコンサルティングをしている大企業のケースを見ると、1社ごとの倍率は軒並み100倍を超えている。100人採用しようとしている会社に1万人の応募者が殺到しているということだ。合格確率1%と聞けば、今でも大企業に入るのが難しいのがわかるであろう。

このような状況にもかかわらず、全体としては「売り手市場だ」「人手不足だ」という情報ばかり見ていると、就職活動なんて楽勝だと勘違いした学生は少数の大企業だけ受けて、あまり他の中小企業やベンチャー企業を受けなくなってしまう。

特に就活の初期、3年生の夏のインターンシップなどではそのような傾向が強い。インターンシップは自分のキャリアを考える経験としてとても重要なのに、大企業の「インターンシップの選考」だけ何社も受けて、結局どこも参加できずに終わるということが毎年繰り返されている。大変もったいな話だ。

そこで私が勧めたいのが、インターンシップなど就活の初期こそ、中小企業やベンチャー企業を受けることだ。まず、大企業と違って応募が少ないため、選考なくインターンシップなどのイベントに参加できる可能性が高い。加えて、希望する企業と同業界の中小・ベンチャー企業のインターンシップに参加すれば、たいてい大企業のことも知ることができる。

業界は大企業から中小企業までつながっており、大企業であればあるほど中小企業の取引先はとても多い。私の会社は社員二十数人と規模は小さいが、大企業の人事系の部署とは軒並みお付き合いがある。

また最近ではベンチャー企業は大企業出身者がとても多い。私が昔在籍した金融ベンチャーは、外資の金融会社、外資コンサル、総合商社、メガベンチャーなど、社員はほとんど大手企業もしくは人気企業の出身者であった。そこに来た学生は1社のインターンシップに参加するだけで、名だたる企業のOB・OGたちと働くことになり、様々なことを学ぶことができた。

善しあしは別にして、今でも日系の大手企業が一番人気だ。確かに入社するメリットはたくさんあるので、それはそれでよい。ただ、もし日系大手に入社したいなら経験を積んで能力をつける必要がある。それは日系大手のインターンの面接を受け続けることではない。実際にどこかでしっかりとインターンシップに参加してみることだ。参加することにこそ意義がある。 (人材研究所代表)

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