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国の支援を受け急伸する半導体業界 エンジニア求人は10年で12.8倍に - ITpro

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 半導体業界でエンジニア採用が活発になり、異なる業界から未経験の人材が転職するケースが増えているという。背景事情や求められる人材像を、リクルートで半導体・電子部品業界の転職支援を担当する杉原伸太郎氏が解説する。

 半導体産業が活況です。背景には、政府による半導体の国内生産への支援があります。経済安全保障リスクを抑えるため、また電気自動車(EV)やカーボンニュートラルを筆頭とするグリーン化へ対応するために重要物資である半導体への投資を後押ししているのです。

 2023年度の補正予算では、半導体の国内での生産能力強化のため、約1兆5000億円が計上されました。内資、外資を問わない半導体企業の日本国内での工場建設や、次世代半導体の開発支援などに充てられる予定です。また、EVに用いられ、高い電圧や大きな電流を扱える「パワー半導体」の共同生産事業も支援します。

 こうした動きに伴い、半導体関連エンジニアの求人も活発になっています。半導体業界経験者はもちろん、異業界のエンジニアや理系のバックグラウンドを持つ若い世代にも転職のチャンスが広がっています。

「工場建設エリア」「品質管理」などの求人が拡大

 リクルートの転職支援サービス「リクルートエージェント」における半導体関連エンジニアの求人推移を見ると、この10年で12.8倍と大きく伸長しています(2013年1月~6月と、2023年1月~6月の比較)。

半導体関連エンジニア求人の半期推移(2013年1月~6月期を「1」とする)

半導体関連エンジニア求人の半期推移(2013年1月~6月期を「1」とする)

(出所:リクルート)

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 地域別では、工場建設が進む「北海道・東北」「九州・沖縄」の伸びが大きく、それぞれ2017年度を起点に5年で5.36倍、5.21倍へ拡大しました。

地域別・半導体関連エンジニア求人推移(2017年度を「1」とする)

地域別・半導体関連エンジニア求人推移(2017年度を「1」とする)

(出所:リクルート)

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 領域別では、「材料開発」「品質管理・品質保証」「製造装置・部品開発」が2017年度に比べ、いずれも3倍以上に増加しています。最近では、特に「品質管理・品質保証」の伸びが顕著です。これはグローバルで定められた標準化への対応を進めるためです。

領域別・半導体関連エンジニア求人推移(2017年度を「1」とする)

領域別・半導体関連エンジニア求人推移(2017年度を「1」とする)

(出所:リクルート)

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 世界各国でのEV需要の高まりを受け、パワー半導体の需要も急増しています。転職市場ではパワー半導体関連エンジニアのニーズが高まり、2017年度を起点に5年で3.69倍も伸びています。近年、市場が拡大している再生可能エネルギー分野にもパワー半導体が使われており、今後も需要が高まると想定されます。

 高まるニーズに対し、即戦力の半導体関連エンジニアはそう多くはいません。そこで、異業界から類似の経験を持ち、応用が利く人を迎えるケースが増えています。

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