連続殺人犯を表す“シリアルキラー”という言葉の語源となった人物、それがテッド・バンディです。1974年から78年の間に30人もの女性を殺害(彼の自供によるもので、実際には36人という説が有力ですが、それ以上殺害していると見ている専門家もいます)、しかもIQ160の知性と甘いマスクで、TV中継もされた法廷では自分自身で自分の弁護をするというパフォーマンスを披露、それを見た女性たちからのファンレターが殺到したという点でも話題を集めました。
そんな彼の物語を、彼を殺人鬼とは知らずに愛してしまった女性の視点で描いた作品が、この『テッド・バンディ』なのです。
1969年、夫と別れたばかりのシングルマザー、リズ(リリー・コリンズ)はバーで声をかけてきたハンサムな男性テッド・バンディ(ザック・エフロン)と親しくなります。幼い娘も彼になつき、彼女たちは幸せな家庭生活を始めました。しかしテッドは女性誘拐事件の容疑者として逮捕されてしまったのです。無実を訴えるテッドでしたが、目撃者による似顔絵は彼にそっくりでした。混乱しながらもテッドを信じたいと思うリズ。しかし、彼には次々と新たな容疑がかけられていくのです…。
これまで『ハイスクール・ミュージカル』や『グレイテスト・ショーマン』など好感度の高い役が多かったザック・エフロンが、一転して残忍な殺人鬼役に挑戦。とは言っても、本作はテッド・バンディの殺人遍歴や内面を描くものではなく、あくまでもリズの目から見たテッドという描き方に徹しています。彼女にとってテッドは優しく思いやりのある理想の男性なのです。したがって、史実を知らないで観ていると、この映画は「連続殺人の冤罪をかけられてしまった男の物語」にも観えてしまうのです。そのあたりがドキュメンタリーでテッド・バンディの話を撮ったこともあるジョー・バリンジャー監督の狙いなのでしょう。エフロンはそれに応え、あくまでも明るくさわやかな顔をリズに見せることで、それがかえって不気味な側面を感じさせる効果を上げています。ヒロインのリリー・コリンズも女性の微妙な心の揺れ、女心の複雑な部分を好演。
事件に対しては徹底的なリサーチがなされ、エンドロールで実際の関係者たちの映像が流されますが、ジョン・マルコヴィッチ扮する裁判長以外は(演技力の点で彼を起用せざるを得なかったのでしょう)驚くほどの再現度の高さに感心させられます。『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメントがリズの同僚役で出演(観るたびに太っていくのに驚愕)、『メイズ・ランナー』シリーズのカヤ・スコデラーリオがテッドと獄中結婚する女性に扮しています。
(『テッド・バンディ』は12月20日から公開)
配給:ファントム・フィルム
(c)2018 Wicked Nevada,LLC
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December 19, 2019 at 10:02AM
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