製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は前月から増加
2022年8月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「MA・MSL」(前月比12%増)や「プロセス研究」(10%増)、「基礎研究」「前臨床研究」(9%増)など。一方、減少となったのは「マーケティング」(12%減)や「開発企画・PM」(7%減)、「QC・QA・監査」(5%減)などでした。
[研究職]メーカー、ベンチャーとも堅調
研究職の求人件数は2カ月連続の増加となり、転職市場も活気づいています。内資系メーカーでは、各社がバイオ医薬品や細胞医薬などの基礎研究で組織強化や増員に向けた採用を開始。経験者を中心に募集を行っています。先端技術の分野では、バイオベンチャーのニーズも堅調に推移しています。
[開発職]メーカーの採用充足で鈍化傾向
開発職の求人研件数は、メーカー各社の採用が一段落したことで前月から減少しました。CROによる未経験CRA(モニター)の採用は、引き続き新規の求人は出ているものの、前月までと比べると採用のペースが落ち着いてきている印象です。
[製造職]後発品メーカー、増産へ採用強化
製造職の採用は引き続き活発です。品質管理・品質保証の求人件数は横ばいから減少となっているものの、新薬メーカーから後発医薬品メーカーまで各社が積極的な募集を継けています。特に後発品メーカーは、増産体制の構築に向けて採用を強化。製造技術や生産技術の求人も増えています。
[MR]スペシャリティ領域で新たな大型募集
MRの求人件数は前月比1%増でした。11%増の先月と比べると伸びは鈍くなっていますが、メーカー、CSOとも引き続き採用意欲は高水準。新たにスペシャリティ領域で数十人規模の募集を始めたメーカーもあります。入社時期は今年11月~来年1月が中心。一方、CSOでは、プロジェクトの受注から配属までの期間が短くなっており、応募にスピード感が求められている印象です。
今年1~8月のMRの求人件数は、前年の同じ時期に比べて約1.5倍に伸びています。新たな組織の立ち上げを計画している企業もあり、来年春にかけてこの傾向は続きそうです。早期退職の影響で市場の流動性は高まる見通しで、経験豊富なMRにとっては転職しやすい状況が続くと見られます。
※ ※ ※
今年の転職市場は全体的に見て堅調です。大きく伸びているMRだけでなく、研究や開発、製造も増加傾向にあります。特に、新たなモダリティやスペシャリティ領域に経験を持つ人は転職しやすい状況といえそう。新たな分野で経験を積みたいという人にとっても、今の市場の状況なら転職のチャンスがあります。
Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場の最新動向まで、幅広く情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、今後のキャリアに不安を抱えている方も、お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら。
(コンサルタント 河内秋都)
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