「オポチュニスティック」とは、採用の世界では、企業が採用を行っていなくても、ポジションを用意するほど優秀な候補者を指す言葉とされている。
「オポチュニスティック採用は、特定の欠員や職務の有無にかかわらず、常にオープンな姿勢で新しい人材を迎え入れることを意識した採用戦略」と、ある採用ストラテジストはリンクトインに記している。
「このアプローチは戦略的であり、需要の高いスキルや、真に唯一無二で卓越したA+人材に限定される」
「プロジェクト・パンダ」という名称が何を表しているのか、あるいは実際のプロジェクトなのかは不明だが、この名称は同社がデトロイトにある配送拠点に使っていたものでもある。
この求人情報と、特にその説明文から、アマゾンは埋めるつもりのないポジションをアピールしているのではないかとの憶測が関係者の間に広がったと、ある人物は語った。
「これは『採用するつもりはないが、間違いなく素晴らしい人材が見つかれば、彼らに組織を与えるためにさまざまなことを変更する』という意味だ」(同人物)
効果もあったようだ。Insiderは、募集が締め切られるまでにリンクトインで28件の応募があったことを確認した。
アマゾンは2022年に2万7000人の従業員を一時解雇し、会社全体の多くのチームが採用を凍結している。
人員削減の一因は、パンデミック後の好調さを維持できなかったことによる過剰雇用がある。Insiderが2023年初めに報じた内部文書によると、アマゾンは求人情報の掲載において社内の監督とガバナンスを欠き、過剰採用につながった。同文書によると、あるチームは2022年に2万4988人の募集を掲載したが、承認されていたのは7798人のみだったという。
アマゾンの広報担当者は当時、さまざまな地域で人材を探すために複数の求人が行われたと述べ、AWSでは承認された人数を超えて過剰な採用が行われたと反論していた。
ある関係者は、アマゾンは減速から回復しつつある2023年後半、会社全体で採用を積極化させる可能性があるとInsiderに語っている。
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