Search

リクルート、24年3月期純利益過去最高に 米求人は不振 - 日本経済新聞

リクルートホールディングス(HD)は9日、2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比31%増の3540億円と過去最高になりそうだと発表した。旅行予約など国内事業の好調が寄与する。ただ、売上高にあたる売上収益は3期ぶりに減る。主力の米求人サイトは雇用市場の過熱感が薄らぎ、底打ちの時期が見通しづらい。

最終増益は2期ぶり。米求人サイトの「インディード」を含むHRテクノロジー事業での組織再編による一過性の税負担減も純利益の増加に貢献する。リクルートが経営指標として重視する調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も7%増の5850億円と過去最高を見込む。

増益に貢献するのは、国内の求人・販促メディアなどからなるマッチング&ソリューション(M&S)事業だ。新型コロナウイルス禍の一服で旅行予約サイト「じゃらん」など販促領域が好調で、同領域の売上収益は前期比9%前後増の見込みと、従来予想から0.5ポイント成長率を引き上げた。23年3月期実績を基に計算すると約4900億円となる。

一方、投資家が注目するHRテクノロジー事業の不振は続く。同事業の売上収益(米ドルベース)は約16%減る見通しだ。調整後EBITDAも減益を見込む。HRテクノロジーの不振が足を引っ張り、全社の売上収益は1%減の3兆4000億円と3期ぶりに減る。

インディードが主力とする米国では雇用市場の過熱感が一服している。20年2月1日のインディード上の米国求人広告数を100として指数化したデータ(季節調整後)によると、23年12月は120台前後で推移した。なお高水準だが、一時期の過熱感は薄らぎ、底打ちは見えない。

ゴールドマン・サックス証券の宗像陽アナリストは「インディードの求人広告数は今後もなだらかに下がっていくだろう」と指摘する。リクルートも24年1〜3月期のHRテクノロジー事業の売上収益を23年10〜12月期比横ばいか微増とみるが、雇用環境の急速な回復は想定していない。

先行きが不透明ななか、インディードは利用効率の向上を急ぐ。人工知能(AI)を用いて求人情報を自動作成する機能を23年までに米国で始めた。日本では24年1月末にAIが複数の求人サイトから最適な掲載先を自動で選定する「インディード・プラス」を始めた。企業側は採用管理システムに必要な情報を入れれば、求人サイトの選定や情報入力の手間を省ける。

リクルートHDの荒井淳一執行役員は「AIでマッチングが進化すれば採用予算に対するリターン効率が上がる。効果が一番良いサービスなら他社との競争に勝てる」と強調する。企業の求人コストが上昇傾向にあるなか、サービスの収益性を高めて顧客を集め、増収基調への転換を図る。

同日発表した23年4〜12月期連結決算は、純利益が前年同期比29%増の3194億円だった。増益は同期間として2期ぶり。広告宣伝費を27%減とするなど経費削減が利益を底上げした。売上収益は1%減の2兆5727億円だった。

M&S事業の調整後EBITDAは49%増の1352億円。決済端末「Airペイ」の23年12月末時点のアカウント数は前年同月比25%増の45万アカウントに伸びた。

HRテクノロジー事業の調整後EBITDAはコスト削減が寄与して2%増の2710億円だったが、売上収益は12%減の7582億円だった。米ドルベースに換算した10〜12月のHRテクノロジー事業売上収益は前年同期比17%減の16億ドルとなり、5四半期連続で前年同期を下回った。

【関連記事】

Adblock test (Why?)



from "求人" - Google ニュース https://ift.tt/iY3hzLc
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "リクルート、24年3月期純利益過去最高に 米求人は不振 - 日本経済新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.