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宿泊業の外国人材求人急増!一方で採用難を引き起こす恐れがある2つの問題とは? - トラベルビジョン

 外国人採用専門の人材事業を手掛けるマイナビグローバルはこのほど、同社が23年に扱った宿泊業における外国人材の求人件数が前年から6倍以上に増えたと発表した。帝国データバンクが昨年11⽉に公表した「⼈⼿不⾜に対する企業の動向調査(2023年10⽉)」では、正社員が不⾜していると感じている企業の割合は業種別で「旅館・ホテル(75.6%)」がトップとなっており、深刻な人材不足を背景に海外人材確保の動きが高まっているようだ。

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 現在、マイナビグローバルが宿泊業に対し手掛ける多くは技人国ビザを利用した台湾・韓国からの人材。国内では外国人材の応募が集まらないため、海外にいる人材を呼び寄せるケースが増えているようで、この動きは特に地方の宿泊施設を中心に広がっている。また、同社代表の杠元樹氏によると、宿泊施設の中でも特に、抱えるスタッフの多さから「外資系ラグジュアリーホテルの採用意欲が高い」傾向にあるという。

 一部のホテルでは、入社した外国人材がその後マネージャーに起用されるなど活躍が見られる一方で、杠氏は「(現在の技人国ビザによる人材獲得は)半年か1年ほどで難しくなってくる」と話す。

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杠元樹氏

 その原因となるのが、「求める日本語能力の高さ」と「給与水準」の問題だ。

 発表によると、同社が外国人材事業を手掛ける介護、外食業での日本語能力の応募条件は日常会話レベルである日本語能力試験(JLPT)「N3」がボリュームゾーンだが、宿泊業ではより高度な「N2」を求める傾向にあるという。

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 技人国ビザでは、その取得要件の厳しさなどから求める日本語能力と上手くマッチしているものの「技人国による人材にも限りがあり、このまま求人数が伸びてくると需給のバランスが取れない」(杠氏)。

 今後は、介護や外食業などで広がる「特定技能」を活用した採用を宿泊業でも求められるが、「特定技能1号」の取得は日本語能力試験(JLPT)「N4」以上で可能となるため、宿泊施設が求める能力とのアンマッチが発生するとともに、特定技能での採用を目指す場合、より「給与水準の高い」外食業との競争に勝てない恐れがあり、杠氏は「(今後宿泊業においては)給与水準をアップするか、求める日本語能力レベルを下げない限り採用は難しい」と述べた。

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 また、同氏は今後宿泊業においては「特に日本語能力が求められるフロント業務を技人国で、その他のマルチ業務を特定技能で採用していく流れになる」と予想するほか、「バックヤード業務で日本語能力を高め、その後フロント業務を担う」といった採用後の教育体制の必要性を説いた。

 観光庁が先月発表した「宿泊旅行統計調査」では、昨年年間の延べ宿泊者数が19年同水準まで回復するなど、宿泊需要は今後も拡大が予想されるなかで、外国人材確保に向けた柔軟な体制構築と待遇改善などの動きが注目される。

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